住宅

漏電からの石油給湯器撤去

お客様からのお電話

お客様
お客様
電気が突然消えたけど、どうしたらいい?

というお電話がありました。

お電話いただいたのが夜であり、訪問に2時間ほどかかるお宅ということもあり、まずはお電話で状況を確認しました。

状況ヒアリング

ターねこ
ターねこ
分電盤は分かりますか?
お客様
お客様
はい。

分電盤を見て頂いたところ、漏電ブレーカが落ちており、黄色いボタンも出ているとのことで、漏電の確率が高いことが分かりました。

漏電

漏電は火災の原因にもなり放置はしておけません。何より電気が使えず不便です。

本来であれば、私がお邪魔して応急処置を行うのですが、時間が時間でしたので、お電話でお客様に対応していただくことにしました。

漏電箇所の調査

まずはどこが漏電しているか見付けないといけません。

ただ、大まかな予想はついていました。その日は雨が降っており風も強かったです。

・そのお宅の石油給湯器が外に設置されており、設置から15年以上経ち古いこと。

・雨が降っており、横風の吹いている状況での停電であること。

・古い石油給湯器において、年に数件は同条件下で漏電が起こっていること。

以上の条件・経験から、石油給湯器ではないかと思っていました。

ターねこ
ターねこ
それでは分電盤の右側のたくさんあるスイッチみたいもの(回路ブレーカ、配線用遮断器)を全て「切」にして下さい。
お客様
お客様
分かりました。

それから漏電ブレーカを入れてもらい、石油給湯器が割り当てられている回路ブレーカ以外を「入」にしてもらいました。

お客様
お客様
あっ!電気が落ちません!
ターねこ
ターねこ
よかったです。おそらくボイラー(石油給湯器)だと思いますので、そのままで大丈夫でしょうか?明日の○時にはお邪魔できると思います。

お湯が使えなくなりますが、ご実家が隣接しているため、そのままでも問題ないとのことで了承を得ました。

訪問

手前から「加圧ポンプ」「石油給湯器」「貯湯タンク」です。手前2つの「加圧ポンプ」「石油給湯器」が、電話で「切」ってもらった回路ブレーカに割り当てられています。

「切」っていた回路ブレーカを「入」にすると、漏電ブレーカが落ちました。加圧ポンプか石油給湯器が漏電している、若しくはどちらとも漏電しているで間違いありません。

次は、石油給湯器のコンセントを抜き、ブレーカを「入」れても、漏電ブレーカは落ちません。

石油給湯器の漏電で確定しました。

生活パターンをヒアリング

ヒアリング内容

 

お家の機能(石油給湯器の影響のある範囲)

・太陽光による床暖房機能つき(夏は屋根の熱を逃し住宅が暑くなるのを和らげる。室温が上がった場合は室外へ排気する。自然利用の空調システム。)

・石油給湯器による床暖房機能つき(補助暖房)

・薪ストーブつき

・太陽光によるお湯取り機能つき

・石油給湯器による給湯

 

生活パターン(石油給湯器の影響のある範囲)

・暖房関係は、太陽光による床暖房機能、薪ストーブで間に合っており、石油給湯器の床暖房機能はここ数年全く利用していない。

・食事、入浴については、ご実家で済ませている。

ねこ
ねこ
え?もしかして石油給湯器使ってない?
ターねこ
ターねこ
そうなんだ。聞いてみると、石油給湯器はほぼ必要ない生活を送っていらっしゃるんだ。

対処方法

石油給湯器を撤去する!

ねこ
ねこ
石油給湯器の入れ替えじゃないの⁇
ターねこ
ターねこ
そうなんだ。入れ替えじゃなく、撤去のみ!これは僕も初めての体験だよ(笑)

ただ、洗濯はこちらのお家でも行うとのことでした。その時お湯が使えれば使いたいとのご要望がありましたので、太陽光を利用したお湯取り機能(貯湯タンク)は既存ママにすることになりました。

補足

石油給湯器の漏電の場合、通常はいきなり入れ替えや撤去は行いません。というのも、1日2日おいておくと、乾いて元通り動き出すことがほとんどだからです。今回のケースは、普段あまり利用していない、古くてメーカーサポートも終了している製品であるなど、条件が重なったレアケースです。

石油給湯器の撤去

配管切断

昔の配管ですので銅管です。保温材で覆われています。ここは石油給湯器に水が入っていき、お湯として出て行くところですね。

この石油給湯器は床暖房機能もあります。床下へ熱を送る場所です。不凍液と呼ばれる液体が行き来しています。この部分も同様に切断する必要があります。

不凍液について

不凍液を文字の通り凍らないだけの水と思い、不足した時に水道水を足す人がいます。絶対にやめてください。不凍液は凍らないようにしているだけでなく、防腐、防錆など、不凍以外の役目もあります。不凍液の点検を行うと、時々開けた途端腐敗臭がし出す時があります。臭いだけなら良いのですが、腐っていれば配管詰まりを起こします。そうなると結構な出費になります。(数万円レベルではありません)また、不凍液は薄めて使用されているのですが、種類によっては原液が「毒」マークをつけないと運べないものもあります。取り扱いについても十分に気をつけてください。

石油給湯器撤去

切断して本体撤去しました。

配管

繋ぎ直して保温材もしっかり巻いております。

不凍液の出入り口は封をしております。

完成

こんな感じですね。

水の流れとしては、貯湯タンク→加圧ポンプ→お家という流れです。

お客様のご要望で、石油給湯器が必要になった場合は、すぐに復旧できる形にしてあります。

まとめ

今回のお話は、停電→漏電→石油給湯器撤去の流れでした。

上でも述べたのですが、かなりのレアケースです。普通は石油給湯器の交換、もしくはエコキュートへの交換が一般的です。どのケースにしろ、床暖房はどうするか?太陽光利用のお湯取りはどうするか?などお客様の生活に合わせた対処法が必要になってきます。いざという時に損をしないよう、相談できるところを探しておいた方が良いと思います。

これがなかなか難しいんですけどね。

ターねこ
ターねこ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。